相互記念SS
 とらいあんぐるハート






 恋する乙女の事情





 美由希は歩いていた
 でも、その姿は家族や親しい者が見れば何かに悩んでいるのがすぐ分かる姿だった
 恭也もすぐに気付くだろう……それほどまでに悩んでいるようだった
 歩いている時もずっと考えている
 そんな様子を見受けられて……そして、美由希はこけていた
 前の石に躓いたみたいだ
「いたた……う〜恭ちゃんのばかぁ」
 美由希は涙目になるとそう呟くのだった
 美由希が悩んでいるのは、考えていたのは恭也の事だった
(恭ちゃん、ねぇ、何で?)
 美由希はここ最近恭也の事を思って悩み
 そして、その様をみんなに悟らせてはいけないと思い頑張っていた
 しかし……とっくにバレバレなのは誰から見ても分かるとおりだった

 そんな美由希が1人悩みながら帰っているときに
 本人たる恭也は……翠屋でバイトしていた
「いらっしゃいませ」
 恭也はウェイターをしながら考えていた
 美由希のことである……それでも、どうしてあそこまで悩む原因がわからなかった
 自分のことだとは全く気付かずにいるのだった

 そして、その2人の事を真剣に考えながらも、今回は
 若い2人に任せようと思う桃子だった
「若いわね〜
 けど、恭也も美由希もこれで少しは成長するかな
 『かあさん』としては嬉しいけど
 『母親』としては悲しいものもあるわね」
 桃子はそう言うと厨房で働くのだった
 松尾さんは独り言も聞こえていて
「恭也くんと美由希ちゃんの事ですか?」
 そう聞いているのだった
 桃尾は笑って
「そうなのよ……で、見守っているの」
「そうですか」
 と、世間話をしながら厨房で2人働くのだった


 そして、時は夜へと進む
 美由希は伝承されているのだが……鍛錬を続けていた
 もちろん、恭也もついて行っている
 2人は小太刀で打ち合いながら鍛錬を積む
 ただ、美由希の剣からは迷いとかが見えていた
 その2人が休憩に入った
「美由希、どうかしたのか?」
「何が?」
 美由希は恭也から声をかけられて恭也を見上げながら言う
 丁度、お月様の影で逆光になっていて美由希には恭也の顔が見えていなかった
「お前の剣に迷いがある……それはここ最近ずっとだぞ」
 恭也は聞いてみることにした
 好きな人が悩んでいたら……大切な人が悩んでいるなら聞いてしまう
 それが恭也が恭也である所以だろう
「恭ちゃんには……分からないことだよ」
 美由希は少し震えながら言う
 悩み声に出すことさえも困ってしまう
 恭也はどうしようか悩んでいた
 こういうときに頼りになる姉はただ今海外でコンサート中だし
 桃子はあてにならない……というか教えてくれなかった
「そうか……俺には分からないことか」
 恭也は幾分ショックを受けながらも何とか答える
「ねぇ、恭ちゃん……」
 美由希からの呼びかけに恭也は美由希を見ていた
 美由希は恭也の顔を見ると涙を溜めて……
「ねぇ、恭ちゃんは私のこと好きなんだよね」
 美由希はそう聞く
 恭也は驚いていた……確かに恋人としての役割
 そう言うのには疎いと思っていたのだけど美由希に言われるまで気付かなかった
 恭也はそんな事を思いながら美由希を見た
 美由希は不安そうな顔をして、子猫のようにも見えた
 恭也は衝動的だっただろう
 美由希を抱き寄せる
「好きだ……すまんな」
 恭也はありったけの想いを込めて
 美由希に謝った……
 美由希は首を振ると
「私ね、恭ちゃんに愛されてないのかなって思っちゃって
 だって……
 言葉にもしてくれないし……
 キスもしてくれないし……」
 美由希はそう言って恭也を抱きしめる
 恭也は美由希の告白を聞いて、自分の浅はかだった行動を悔やむのだった
「すまん……俺は言ってくれるまで気付かなかったな」
「いいよ」
 美由希は恭也に抱きしめられて言葉にして貰えて嬉しかった
 正直に嬉しかった……恭也は恥ずかしいのか顔を赤くしていたが
 月下で抱き合う2人は剣士というよりはお互いを想い合う恋人だった
「ねぇ、恭ちゃん……たまにはね、私と一緒に寝てくれない?」
「げほげほ……何を言っているんだ
 そんなことしたら、大変じゃないか」
 恭也は美由希の大胆発言により咳き込みながら答える
 美由希は恭也の体から離れると
「たまには恋人のぬくもりがほしくなるんだよ♪」
 そう言って美由希は微笑んだ
 恭也は美由希を見ていた……いや、見惚れていた
「だから……お・ね・が・い♪」
 美由希は体を恭也に摺り寄せてそう言うのだった
 指を恭也の唇につけて、美由希のにもつける
 恭也はされるがままだった
「…………分かった……まぁ、朝は俺たちの方が早いし
 夜も大丈夫だろう」
「ありがとう」
 恭也が了解すると美由希は本当に嬉しそうに微笑んで恭也に抱きつくのだった




 次の日の朝……
 とんでもないことが起きていた
「えっと、お師匠」
「ししょ〜」
「恭也、美由希」
 3人により、一緒に寝ているところを見られたのだった
 さて、何でこの2人が寝ていたかだけど……原因は
〜真夜中〜
 美由希と恭也は同じ布団で全てをさらけ出していた
 そして………
 (以下数十行大人の情事中)
 夜が明け始めた頃に2人は眠りに落ちた
 久々だったので、こうやってしまったのだろう
〜真夜中終了〜
 原因も終了
「レンちゃん、晶ちゃんは先に出てもいいわよ
 私がみっちり言っておくから」
 レンと晶が桃子に言われ出て行く
 なのはも何が起こったか分からなかったけど出て行った
「さぁて、この幸せそうなのを起こすのは引けるけど、起こさないとね♪」
 桃子は2人の様子を一目で看破していたのだった
「2人とも起きなさい」
 桃子は恭也と美由希を揺らしながら起こす
 2人は同時に目を開ける
「えっと、かあさんが何でここに」
 桃子は時計を恭也と美由希に見せる
「わわ、遅刻……って、すでに遅刻だけど」
 桃子はニッコリと微笑むと
「まずは服は着てね♪」
 と言って恭也と美由希に服を渡すのだった
 桃子は今日仕事が休みで2人に学校を休ませ
 リビングで話すことになるのだった

「まぁ、恭也は美由希の不安を解消できたのね」
 桃子は2人にコーヒーを出しながら言う
 恭也は頷いて返した
「はぁ〜」
 桃子はため息をつきながら美由希を見る
 美由希は恭也を見て顔を赤くしていた
 なんと言うか、彼の行動どれもが楽しいみたいだ
「どうした、美由希?
 顔赤いぞ」
 恭也は視線に気付いて聞く
 美由希は少し複雑な顔をすると
「う〜恭ちゃん、気付いているくせに〜」
 と小さく剥れるのだった
「すまんすまん」
 恭也も微笑んで美由希の頭を軽くなでる
 桃子は……冷や汗をたらしていた
(仲良くなるのはいいけど……まさか、ここまでだなんて
 何でこんなにラブラブなの……しかも私忘れられているみたいだし)
 美由希と恭也の戯れはその30分ほど続くのだった
 その後、桃子がやけになってお菓子を作り出したのだった
 その日には昼から夜まで桃子がデザートとかを作ったのだった




 おわり




 あとがき
 ふむ……
 シオン「どしたの?」
 いや、甘くなくしたかったのだけど
 ゆうひ「最後だけ甘いね」
 だよな……後半はそんなに甘くないし
 シオン「というか最後のあのラブラブ空間はやばいでしょう」
 でも、この2人だったら世界最強タッグにもなれるぞ
 ゆうひ「そう言う問題ではないような気が」
 まぁ、いいんじゃないかな
 シオン「でも、シリアスっていう部類でないのは確かね」
 あはははは……それはそうだ♪
 ゆうひ「相互記念ですが、こんな感じでよろしいでしょうか?」
 久々に美由希を書いたのでおかしいと思うかも知れませんが許してください
 シオン「でわ、またです〜」
 ゆうひ「感想などは掲示板かメールでお願いします」
 お願いしますm(_ _)m
 シオン「でわ、また」
 ゆうひ「ほなね〜(^^)/~」
 でわ、またです